僕は正しく厨二病なので。

僕は正しく厨二病なので、煙草やお酒やバイクみたいないかにも体に悪くて、PTAが顔をしかめるような、そんなものに心惹かれる。

もちろん盗んだバイクで走り出して、夜の校舎の窓ガラスを壊して回れたら、それは最高なんだけど、僕は尾崎豊の「15の夜」を聴くと「盗んだバイクで走り出す 鍵がない 走らない」という替え歌の方を思い出して笑い出してしまいそうになるので、たぶん盗んだバイクには乗れないだろうな、とも思う。

 

これらに心惹かれるのはもちろん僕が好んで見るような映画や本の影響だと思うんだけど、もしもバイクが安全な乗り物でお酒が生まれた時から飲めて、煙草が体に良かったとしたら、僕はこれほどには心惹かれなかっただろう。

たぶん僕は「体に悪いことをしている」という死の匂いが際立たせる、命の光が見たいのだ。痛みや寒さを感じる命の実感を、もっとお手軽に安全に味わいたいのだと思う。

 

もし、僕の身体を案じてくれる人が誰もいなくなったら、それらを浴びるほど味わいたいと思うけど、きっとその時は大した味じゃないんだろうな。

他の誰かが想ってくれているからこそ、人の命は強く輝くのだから。